読んで欲しい方:学童保育の支援員さん、静岡にお住いの方、防災教育に携わる方、防災担当者、DIG (Disaster Imaginetion Game)に疑問や違和感がある方
支援員でも子供から見たら先生
静岡県袋井市教育委員会さんからのご依頼で、放課後児童クラブの支援員さん70名の勉強会を担当させていただきました。昨年担当させていただいた幼稚園、保育園の職員向け勉強会に参加された支援員さんが、「この話は支援員も聞かなきゃいけない」「子どもを預かる私たちも先生なんだ」と、声を上げて下さったのがきっかけとなりました。
「うちの学童からは一人の死者も出さない」と強く意識し、責任を持って学習に取り組む学童保育支援員の皆さんの姿勢がとても嬉しかったです。
静岡ならではの落とし穴
静岡は自他共に認める日本一の防災県です。しかし、日本一準備してきたという自負があるからこその、対策の落とし穴が存在します。「対策は整っている」「大丈夫だ」「安全だ」と感じると人は必ず油断してしまいます。人は安全になった分だけ利益を期待してしまい、より大胆な行動をとるようになる(リスクホメオタシス理論)という心理を忘れてはいけません。今回の勉強会でもハードウェア対策、ソフトウェア対策に次ぐ、第三の対策、ヒューマンウェア対策という考え方が必要だ強く感じました。
リスクホメオスタシス理論はカナダの交通心理学者ジェラルド・ワイルドが提唱したもので、リスクを減らすための安全策を講じても、人は安全になった分だけ大胆な行動をとるようになるため、結果としてリスクは安全策を講じる前と変わらない、つまりリスクには恒常性(ホメオスタシス)がある、とする仮説である。