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「会社から一人の死者もださない」BCPへの挑戦@静岡トヨペット

企業では当たり前のように事業継続計画(Business continuity plan, BCP)の作成が求められています。BCPとは、災害による損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画です。静岡トヨペット様では4年に渡り当法人が減災教育やBCPのアドバイスを行なっています。

責任者向け減災セミナーの最終打ち合わせを行いました。静岡トヨペット様ではどのような減災対策を行なっているのでしょうか。改めて防災担当のお二人にお話を伺いました。

静岡トヨペットのBCP目標

静岡トヨペット株式会社 総務部 大村義正さん

「今年の4月から静岡トヨペットで勤務していますが、以前は親会社である静岡鉄道の防災担当でした。まず移動して気づいたのは対策の違いです。静岡鉄道では発災直後から事業継続フェーズに移るBCP訓練(事後対策)を主に行なっていましたが、静岡トヨペットでは人が生き残るための減災教育(事前対策)に重きを置いています。事前対策と事後対策という時間軸が大きく違いました。」

大村さんが作成した店長向け減災教育の研修資料。減災教育の目的が掲げられている

まず、自らの力で生き残って欲しい

静岡トヨペット株式会社 総務 美濃田 康友さん

「航空自衛隊を定年退官し、2018年5月に静岡トヨペットの総務兼、社長ドライバーとして採用されました。自衛隊での知識や経験を減災教育にも活かすため、防災担当も兼務しております。」

「災害派遣での自衛隊の役割は、人命を最優先で守る、救助活動が主な任務になります。なので瞬時に駆けつけたいという想いが強いのですが、さまざまな準備から部隊の編成を経て派遣という手順をふむ必要があるので、どうしても現場到着まで最短でも数時間を要してしまいます。」

美濃田さんが作成した自衛隊派遣の流れ。迅速にこなせるのは訓練のなせる技

「自衛隊は助ける技術など、日頃の訓練で能力を高めています。しかし、当然ですが亡くなっている方を助けることはできません。なんとか救助が到着するまで自分の力で生きていて欲しい。発災時は自分の命を自分で守る必要があるのです。『静岡トヨペットから一人の死者もださない』という目標は、自衛隊員の想いと同じです。」

静岡トヨペット本社前にて。年齢も経歴も違うが率直に話し合えると語るお二人

静岡トヨペット様には約860名を超える従業員がいらっしゃいます。『静岡トヨペットから一人の死者もださない』という強い目標は、従業員一人ひとりの意識をひとつにし、被害軽減だけでなく、BCPへの対策にもなり、お客様の安全にもつながっていくのです。