日高特別支援学校さんのご依頼で、防災体験プログラム「防災について考える一日」職員防災研修に講師として参加しました。
開催日:2019年7月24日
時間:13時00分〜15時30分
場所:埼玉県日高市
参加者:保護者 111名
やめると決めた、地震が来たら「ダンゴムシのポーズ」
当NPOのfacebookを見てセミナーのご依頼された埼玉県立日高特別支援学校、防災担当の齋藤朝子さん。特別支援学校では、どういった防災・減災に取り組まれているのかお聞きしました。
防災担当でいつも悩んでいるのは、地震時の身の守り方です。特にうちの子どもたちは車椅子の子もいるし、即座に動くのも難しい場合もある。机に潜れないし机がない場合もある。机に入る理由が頭を守るということであれば、出来るだけ体を低くして、ぎゅっと構えていれば良いんだと思って、「ダンゴムシのポーズ」を取り入れていました。でも車椅子の子どもたちはできないので、頭に車椅子のテーブルや防災頭巾を被せたりしていました、いろいろと探るんですが、限界を感じるんです。様々な理由で、できない子も一定数いるんですよ。じゃあ、この子たちはどうすればいいのだろう。とネット検索していた時に、減災教育普及協会の「ダンゴムシのポーズは危ない」という投稿を見て問い合わせしました。それから、いろいろな提案や学びを得て「ダンゴムシのポーズ」が間違っていたと気づけたのです。気づいてしまったら、来年度も同じことをやりましょうとはなれなかった。
もちろん、今までやってたことが簡単には変わりません。せっかく覚えて上手にできるのに、なんでダメなんですか?とか反対意見もでます。また、新しいことをやらせると混乱もします。でも、地震のときはもっと混乱しますよね?どんな状態でも混乱はあると思うのです。
こんなことがありました。自主的に危ないところにシールを貼った子どもに、「あれ?シールが無くなってる?なんで?」って言われました。私は、シールを貼った場所に天井が落ちてくる可能性があることを説明して、どうしたら良いかと尋ねました。「危ない場所だったんだ、へー。じゃあ天井が落ちてこない場所に行く。」と子どもは答えました。
違うってなれば、別な方法を考えればいいじゃないですか。その後の授業でも、地震が来たらここで動けないという選択肢で終わるんじゃなくて、どうするかを考えていきました。言われるがままやるではなく、決めつけるのではなく、リスクに対して安全を高めることをしていかないといけない。今回の防災イベントも、何をどうすればいいんだろう?という模索や知るきっかけを、楽しみながら、保護者とか地域の方と共有できないかということで行なっています。職員も含めてみんなが防災に対して意識を高め、みんなが取り組むことによって、安全も高まるんだと思っています。