子どもたちも、先生も守る勉強会
東京都足立区教育委員会さんからのご依頼で、先生向け勉強会を担当させて頂きました。区内全小中学校の先生方と教育委員会さん、区議会議員さんの計128名の方が参加してくださいました。
「先生も守る」というキーワードが大切
教育現場における防災教育の中には、この"先生も守る"というキーワードが主に2つの意味で必要だと感じています。1つは、『子どもたちだけでなく、先生も危ない。』と言うことです。災害は子供たちだけでなく先生にも襲いかかります。身動きも取れない大地震の中では、先生も十分に災害弱者です。まず、『自分の命さえ守れないかもしれない。』模範となる先生がその意識を持ち、自ら真剣に取り組まなければ、子どもたちも、簡単に助かるものだと油断してしまいます。もう1つは、『先生にばかり押し付けられる大きな責任からも守らなければならない。』ということです。当然、先生にも責任はあります。しかし、先生だけに責任があるわけではありません。子どもにも、親にも、責任はあります。被害が出てから責任の割合を争うのではなく、被害が出ていない今、それぞれの責任を明確化し、その責任の重さを十分理解した上で教育や訓練を真剣に考えることが大切だと思います。
変えなきゃいけない。でも、自分たちだけでは変えられない
東日本大震災以降、今回の足立区さんだけでなく、全国各地の教育委員会さんや学校関係者の方から、『踏襲型で形骸化したこれまでの防災訓練や防災教育を変えたい、見直したい。』というお話をよく聞くようになりました。これまでのものが良くない、という自覚は皆さんお持ちのようです。しかし、職業柄『間違えちゃいけない』という思いが強い先生が働く教育施設では、前例を理由に、これまでのものを踏襲する踏襲主義が習慣化しています。少なくとも、数十年続くその習慣を変えるには、相応の勇気と体力と時間が必要だと思いますが、私たちは変わろうとしている先生方に寄り添い、足立区の全先生が変われるその日まで、サポートを続けていきたいと思います。
足立区の小中学校全教員数 約2,600名
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